プロインタビュアーから学ぶ7つの聞き出す力。



プロインタビュアーという肩書きを持つ吉田豪さん。
情熱大陸でお見かけして以来、気になる存在だった。
インタビュー術が書かれているということで、読んでみたのがこの本。
僕が学ばせてもらった7つのコツは、たとえばこんなこと。

1:下調べをキッチリしてこそ、「予想外の展開」が生まれる。
吉田豪さんはブログと著書、雑誌記事を読み漁っているそう。「聞く力」の阿川さんは「ヘビメタって何ですか」と聖飢魔IIに聞くくらい、知らないことをシンプルに聞く。けど、それは女性だからできること。阿川さんも下調べはしているし「にわかですけど◯◯を見て、ここが良かったです!」と率直に言う。その視点が新しいからできること。

2:いい答えが返ってきたら、いいリアクションで返すこと。
想定した答えと同じだったらスルー。想定外の答えこそ記事になる。面白くなければ、あえてリアクションを取らず「もっといい話あるでしょ?」と追い込んでいく。そして面白い話がでてきたときに爆笑する。そうして聞きたい話、そうでない話をハッキリ相手に伝えること。

3:インタビューで大切なのはつかみだ。
「コイツ、突っ込んでくるな」感というか、「いつもと違うぞ」感というか、相手がハッと姿勢を正すような質問を最初に持ってこないといけない。つかみでなくても、どこかで相手を驚かせるような情報を出して、その瞬間に一気に距離を詰めて自分に有利な流れに持ち込むのが正しい戦術。

4:他の人が聞かないことを聞け。
その人の作品を全部下調べできないこともある。興味が持てない分野ならなおさら。自分の専門分野と結びつけて、他の人が聞かないことを聞くこと。ちなみに、いつも使っているのは喫茶店の個室。相手が取材慣れしないない場合は場所を変えて酒を飲みながらの取材に移行するらしい。

5:空気が悪くなるとしても、引かないところは絶対引くな。
思ってもないことは言わない。正直に、誠実に向き合う。もちろん、相手を好きになることは大前提。

6:人を面白がるということに集中すればなんとかなる。
相手が、分からない話、難しい話をしだしても大丈夫。たとえば学者なら、「なぜそういう難しいところにいっちゃんたんですか?どこに興味をもったんですか?」と、その人がそこに至るまでの経緯を楽しめばいい。

7:あなたにとって◯◯とは?という質問はしない。
考えないと出てこない質問はしない。答えもたいてい珍しくもない一般論になりがち。

ちなみに、沢木耕太郎に「インタヴューは嫌い?」と聞かれた藤圭子はこう答えたそう。
「いつでも、同じなんだ、インタヴューって。同じ質問をされるから、同じ答えをするしかないんだけど、同じように心をこめて二度も同じようにしゃべることなんかできないじゃない。あたしはできないんだ。だから、そのうちに、だんだん答えに心が入らなくなってくる。心の入らない言葉をしゃべるのって、あたし、嫌いなんだ。」

そう思われないようなインタビューをしていきたいものですね。