堀江さんがトップに立ったときに、それを言葉にできる人はいたのか?





 

同じ人間が同じことを言っていても印象が180°変わる。
たとえば、堀江貴文さん。日本放送の買収騒動以後で、メディアの扱いがガラリと変わったという。

そこで、「堀江さんがトップに立ったときに、それを言葉にできる人はいたのか?」という質問がされる。堀江さんはこういう人なんだと理解した上で、世間に分かりやすく伝えたり、誤解があればそれを解いたり。スピーチライターのようにリアルタイムでなくても、ホリエモンが言っているのは実はこういうことなんだよ、と正しい翻訳ができる人のことだ。

その質問に対して、堀江さんはゼロを書いたときが最高のチームだったと言う。編集者として超一流で、堀江さんに気持ちを入れてくれて、自分の姿を世の中に伝えたいという熱い想いを一丸となって抱いていたそう。

編集チームは、ライターの古賀史健さん、書籍編集を担当した柿内芳文さん、web担当の加藤貞顕さん、スーパーバイザーに佐渡島庸平さんだと言う。

驚いたのは、堀江さんでさえも、最高のチームで仕事をしたことは少なかったと話していたこと。恥ずかしくて言い出せなかったこともあり、最高のチームはできないんじゃないかと思っていたが、それがゼロの出版を通じてできたと。それほどまでに言わせる編集チームの仕事はすさまじい。

それと同時に、コピーライターもそういう仕事をしていくべきだと強く思う。本のタイトルに「ゼロ」というコンセプトを据えたり、「人生は有限なんだから、まっとうすべきだ」というコアメッセージを決めたり、「ドブ板2.0」というプロジェクトで全国100店の書店めぐりをしたり。このすべてに関われる可能性をコピーライターは持っている。

詳しいことは「堀江貴文ミリオンセラープロジェクト」でも触れられているが、このくだりには胸が震えた。ライターの古賀さんのコメントです。

 




古賀 出されている本だけでも50冊くらいありますし、メルマガやブログのバックナンバーまで含めると、それはそれは膨大な量になります(笑)。しかも過去の新聞記事や雑誌インタビューもありますからね。でも、それだけの資料を丁寧に読み込んで、ちょうど井戸を掘るような感覚で「堀江貴文」という人間を深く深く掘り下げていく。するとあるとき、井戸の底からドバッと正真正銘の「真水」が噴き出してきたんです。

加藤 真水が噴き出す?

古賀 堀江さんの核にある、まったく汚れのない、ほんとうにピュアな心が浮かび上がってきたんですよ。あれだけメディアや世間からバッシングを受けてきたのに、まったく曲がったところがない。むしろ真っ直ぐすぎるから誤解を受ける。あの、つるはしで井戸の底を打った瞬間の感動は一生忘れないと思います。




 

コピーが書けた感触と同じだと思った。たくさん書いて、書いて、もうこれ以上何も出ない!ってなったとき、ふとシンプルな言葉がポロっと出てきたとき、「あ、これだ!」と思うのです。古賀さんのようにうまく言葉にできていなかったけれど、まさに「真水」が噴き出すような感覚。

ゼロについては、「ゼロからイチを生み出す難しさ。」というエントリを書いたこともありますが、堀江さんのように、この編集チームのように、仕事をしていきたいと強く思う。