日本の論点/大前研一



あgっれあ

ようやく、大前研一さんの書籍に手を出した。気になった論点を記します。これからニュースなどを追って自分なりの意見に到達したいと思います。

政治家は嫌われなくては国家債務の解決はできない。飲みやすい薬などないからだ。最低でも5年の任期がなければダメだ。日本の最大の問題は一年ごとに首相を代えて困難から目を背ける仕掛けを許容している現制度にある。

ニューディール政策的な国内雇用創出はもう効かない。理由はボーダレス化。国家施策より条件のよい需要ある海外に、企業も人も移動してしまうからだ。

平均年齢が50才を超えたら改革はできない。変化を嫌う層が多数派になるから。しかし今、世界で本当に隆盛を極めているのはBRICsなどの新興国ではない、スイス、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイルランド、シンガポールなど、人口が500万〜1000万の小国である。それらのクオリティ国家を自分の目で見てくるべきだ。

難しいマクロ経済学は必要ない。必要なのは「3500万円持って死んでいくことが本当に幸せなのか」と資産リッチな高齢世代が自分自身に問いかけたくなるような政策だ。

中国人に人気の地域は北海道。12月〜3月の札幌のホテルはどこも中国人で満員だ。日本人が憧れのハワイでダイヤモンドヘッドを見て、海ではしゃぎまわるように、彼らは北海道の大自然を満喫、山が少ない中国ではあまり降らない雪と戯れる。もちろん富士山や秋葉原などは人気の定番スポットだし、ゴールデンルートに組み込まれているが。
ただ、日本の観光旅行の基本パッケージは、いつまで経っても「一泊二食付き」。日本の旅館に泊まる外国人が一番困るのはこれだ。欧米では朝食が部屋代についているぐらいで、夜の食事まで縛られることはない。彼らは宿泊施設近辺の美味しいレストランをしゃかりきになって調べる。そこでゆっくりディナーを楽しんで、夜もふけてからホテルに戻ってくる。それなのに旅館で、しかも半ば強制的に夕方7時に食事を取らされるのだから迷惑千万。
日本人は「絵葉書で見た風景を確認するためだけのような旅行」をする人が多い。対して北欧やドイツなどでは、自分で旅の行程を決めて、自由に山に登ったり街を歩いたりして、自分なりの旅の思い出を見つける「ディスカバリー型の旅行」をする人が少なくない。たとえば、飛騨高山がドイツ人旅行者に人気だったりするらしい。

今の日本の空家率は全国平均で13%。山梨県は20%を超えている。

北欧があれほどの医療制度でなぜ財源を圧迫しないのか。それは、「病気」という言葉のハードルが高いから。北欧では体調が悪くなっても、すぐに診てくれない。電話で症状を聞かれて、「それは病気ですね」と確認が取れないと診断してくれない。ただの風邪だったら「薬買っといて」って、薬局に売ってる薬を指示される。日本は気軽すぎて年寄りの集会場。北欧では、救急車も有料で2万〜4万円。本当に重い病気だったら免除される仕組み。日本はタクシー代わりに呼ぶ人がいる。歯科治療もアメリカだと1回で済む。そのぶん歯の美容で評判を上げて収益を上げている。

もう年だし、と自分であきらめていると老いぼれる。心が老いれば、体も老いる。