好きだと叫びながら自転車のペダルを思いっきり漕げるような恋がしたい。(東京ドリーム/Cocco)
Coccoの言葉は、華奢なのに力強い。
生命力、息遣いにあふれていて、言の葉が今にも芽吹き出しそうな感触がある。
ここに、とくに印象的な言葉たちをご紹介します。
独りじゃないから一人になれる。
しばらく胸に巣食っていたぴょんぴょん魚がぐるんぐるんと暴れ出し、私はぬるぬるとした水苔の這う深い池の底に、気がつけば長い時間眠っていた。水面に浮かび上がった時、世界はこの目を潰してしまうほどに輝いていたから、しばらくは己の所在すらわからない有様だった。水からあがり、私はまず靴を買いに出掛けた。新しい靴の底が軽快に刻むその音色は、地を行くための喜びになり、街を歩くための大きな励みになるからだ。そして踏み出すと同時に、私は踊り出す。
ダ ダ だ だ
大好きです。
もう二度とバレエの舞台に立つことは叶わないのだと、想えば想うほどに腫れ上がる夢。
私は久しぶりに喜びの頂点を感じた。雲を突き抜けて頂から見渡した世界はー何と、美しい。青葉はチラチラと真っ白な光を散らして、命の泉の如く輝き、車のクラクションは「ハッピー! ハッピー!」と歓声のように街中に響き渡っていた。夢は世界を変える。目に映る色や、耳に届く音や、夜や、次にやってくる朝の気配までも一変させてしまうのだから。
一分一秒も無駄にはできないと生き急いでもみたけれど、遅かれ早かれ終わってしまうのだから、ならばもう、もはや慌てることもないと、はたと足を止めた時、私をすっぽりと包んでいたこの街の朝焼けの美しかったことといったら、それはそれはもう眩しくて愛しくて。