コピーライターはAIで代替が可能なのか。



ぼくは「気持ちいい風邪」というショートショートを書いてみたことがある。これは、田丸雅智さんの書籍「ショートショート診療所」を読んだことがキッカケで、そこに書いてあることが面白かったから。

「ショートショートは方程式で書ける」と言うのだ。

簡単に説明するとこうだ。気になるワードを10個リストアップする。その中からひとつのワードをピックアップして、それに関連するワードを10個リストアップする。そして、先の10個とそれぞれかけあわせる。ギャップのあるおもしろいキーワードができたら、それをふくらませて書く。

ぼくの場合、「風邪」と「気持ちいい」というワードを組み合わせてこれを書いたわけだ。キーワードができてしまえば、その言葉の意味を説明するだけで、星新一チックなショートショートができた。

はじめて書いたにしては、なかなかに悪い気はしない出来栄えにぼく自身が驚いたが、それより驚くべきは、その工程がコピーライティングに似ていたことだ。

クライアントの商品に関連するキーワードを洗い出して、流行りやインサイトなどの時代のキーワードとかけあわせるのは、コピーライティングのひとつの手法としてぼくも使っていたことがあったのだ。

そこで、この記事を読んだ。

堀江貴文がオックスフォード大学の教授を論破。「コピーライティングはAIがやる。電通いらない」

コピーライターはAIで代替が可能なのか。

ぼくがコピーライターになった7年ぐらい前にも「オートコピーライター」というアプリがあった。

その後、長谷川哲士さんが「コピースロット」というサービスを作っていたのを目にしたこともあった。

ぼくは、言葉の組み合わせである限り、AIにコピーを書かせることは可能だと思っていた。しかし、それを選ぶにはコピーライターの目が必要だと思っていた。

しかし、記事で堀江さんが言っているように、どのコピーを選ぶか、どのコピーが効くかということころにこそ、コンピューターは活かされる。実際に仮コピーをローンチして、いちばん反応がよかったものを採用すればいいのだから。

思えば、どのコピーが効くかというのは、根拠のない自信だった。もちろん、経験による勘がはたらいているとは思うのだが、世の中に出してみなければわからないという側面は少なからずあった。

コピーライターの経験値によるオススメコピーと、実際の反応を受けての数字で見るオススメコピー。どちらを選ぶかといえば、、、

車の自動運転を議論する前に、すでに飛行機が自動運転で離着陸している時代である。コピーライターという仕事もアップデートしていかねばならない。