夫婦のつぎは、何になろう。
月桂冠のコピーです。
商用という意味でのコピーをこえた格言。
僕はこのコピーを見て、
「ああ、夫婦で終わりじゃないんだ」と、
胸がすく思いがしました。
他人と出会って、友達になって、恋人として付き合いはじめて、
それからしばらく、二人の間には行ったり来たりの複雑な関係性が続く。
でも、あるとき結婚式という儀式を経ることで「夫婦」になり、
それからずっと何十年も夫婦のまま。
家族という、より広い関係性を示す言葉はあるけれど、
夫と妻という二人のその先を示す言葉はなかったから。
そこで、「夫婦のつぎは、何になろう。」
「夫婦」という言葉の定義に、疑いを抱かせることで、
夫婦のあり方という、ライフスタイルを変えた。
簡単に言えばマンネリしていた夫婦に、新しい気付きを与えた。
「ネオ夫婦になろう」とか、「男女に戻ろう」とか
新しい言葉や正解(のようなもの)を無理につくろうとしなくても、
ただ投げかけるだけでいいのです。
つまり、このコピーは、いまある言葉を見つめなおし、
その言葉がまだカバーしきれていない概念や関係性といった、
要素を発見する。そうして生まれるタイプのコピー。
みんなの胸をすくような発見であれば一気に波及すると思う。
たとえば、
「生年月日を捨てましょう。」宝島社
僕の思いつきだと
「どこまでが世界で、どこまでが日本か。」とかって書くのかな。
◎コピーの考え方 その16「世界観をつくる」
売り言葉ではなく、商品のファンをつくるために、
ターゲットが共感できる世界観をつくりあげるコピーです。
ターゲット心理や、人と人の関係をとことん深堀りして、
商品からどんどん離れてかまわないので、普遍の心理を探しにいく。
売る言葉ではないかわりに、ひとりでも多くの人に共感させる責任があります。
コピーライターでなくても、ブログや作詞、
はたまた暇な時間の思考実験にこの考え方を、
試してみるのも面白いかもしれませんね。
●テレビCM
http://www.youtube.com/watch?v=mas4MmUAMcM
【※クリックしたらその場で流れるようにしたいです。】
●シリーズコピー
「夫婦は、ずれてて、いいんじゃない。」
「わたしの趣味は、あなたです。」
「きみの笑顔に、帰還します。」
「夫婦は、ときどき、テレパシー。」
「夫婦は、わけもなく、すばらしい。」