秋の3連休は、東京を旅しよう!「TOKYO ARTRIP」のすすめ。
2013年9月14日。
開店10分前の渋谷のラーメン店【はやし】に僕はいた。
営業時間は11:30-15:00 夜営業なし。日祝営業なし。
こういう行列店は、開店前に並ぶのが一番いいと思う。
ほどなく、店主がのれんを掲げはじめる。
5番乗りで中に入ると、見よ、この男前な券売機。
こだわりのラーメン屋とは、こうでなくては。
夫婦経営の絶妙なコンビネーションに見とれていると、
ほどなく着丼、期待の気持ちに的には着ドーーーン!!
うんまい。とてもきれいな味がする。
例えるならば、研ぎ澄まされた和の作法のよう。
すべてが静謐なまでにバランスを保っている。
雑味はもちろん、焼豚だけが味を主張しているとか、一切ない。
食べ終わると、まさに長蛇の列ができていた。おそろしや。
おそろしいのは、本題はここからだということ。
「TOKYO ARTRIP」とは、東京のギャラリーアートをめぐる旅。
無理して遠くへ行かなくても、クリエイティブの喜望峰である東京には、
たくさんの刺激が待っている。まずは、銀座へ地下鉄ガタゴトと♩
【PARTY「そこにいない。展」/ギンザ・グラフィック・ギャラリー】
今、最もクリエイティブな広告会社「PARTY」の展示会。
もはや広告離れしすぎ?というほどアートフル。
それほどまでに、新しい広告を生み続けているとも言える。
チャリを漕げば360°景色が動き出したり、
コップを持って蛇口をひねれば、水はでないのに振動で水を感じたり、
ヘルメットをかぶって、頭をふってバーチャルピンボールを遊んだり。
ヘルメットをかぶる。チャリに乗る、蛇口をひねる。
そういうアナログな行為と最新テクノロジーを組み合わせると、
びっくりするような新体験を生み出せる。
この発想の種は、いろいろな企画で使えるはずだ。
ちなみに、PARTY社内を24時間中継している作品があったが、
土曜日は誰もいなかった。ちゃんと休める会社は素晴らしい。
が、作品としてはびっくりするほどつまらない。
【歌舞伎イラストレーション/クリエイションギャラリーG8】
165人のイラストレーターが「歌舞伎」をテーマに描く。
みんな意外とウマくない。茶化して描いてるみたいで伝わってこなかった。
これは、ショボいので行かないほうがよいと思います。
【クリエーティブトップナウ展/アド・ミュージアム東京】
ACCもADCもTCCも、そのほかにも。
あらゆる広告賞の最優秀賞を集めた展示会。
中でも、TCC最高新人賞のオーリスのコピーは至高。
「NOT AUTHORITY,BUT AURIS. 常識に尻を向けろ。」
そしてACCの中では「ダイワニャン」がたまらん。
このシリーズは、毎回ガチで笑ってしまう。
ちなみに、すべて無料。
この3つのギャラリーめぐりからは、いつも最旬のクリエイティブが学べる。
学生時代からの僕の定番です。そして、次は六本木に向かいます。
【旅する惑星/フジフイルム スクエア 企画写真展】
これはオススメ。もちろん無料。
旅雑誌「TRANSIT」が主催している旅の写真展。
旅に行きたくなるどころか、
旅に生きたくなる。
世界一周までに写真を学ぼう。
逃げられないスキルだと改めて思った。
【カラーハンティング展/21_21 DESIGN SIGHT】
まず、このカラーハンティングという企画自体がユニーク。
自然界に無限にある色を、採集しようってんだもん。
実際にアフリカのライオンの目の前で
パレットに絵の具を広げて、ぴったり一致する色をつくっていくのだ。
ライオンだって十人十色。
空だって365日365色だ。
そうして細分化する発想も応用できそうだ。
ここまで来てはじめての入場料。
カラーハンティング展は1000円が必要です。
ここからさらに、六本木から外苑前へ。
【寺山修司展「ノック」/ワタリウム美術館】
寺山修司には、以前から興味があった。
当時、前衛的だと言われていたらしいその映画、
いま見てみると、なんじゃこりゃ。
今でもぜんぜんぜん衛的ではないか!
映像は意味わからん!けど、言葉のキレがすごい。
「どんな鳥だって 想像力より高く飛ぶことは できないだろう」
「ふりむくな ふりむくな うしろには夢がない」
「自分たちにしか通じない言葉をもつのが恋人同士である」
寺山修司の言葉はすごい。もっと集めたい。
外苑前から家に帰って時計を見ると18:30。
6つの展示会を一気にめぐる「TOKYO ARTRIP」。
さすがに足にも頭にも疲労感。
これでも、急ぎ足ではなく、見たいものを見たいだけ見た。
頭の中の「好奇心スイッチ」がパチパチパチっとONになった。
今日持ち帰った興味の種をどこに蒔いて、どう育てていくかは自分次第。
気がつけば疲れてベッドで仮眠していた。
起きても20:00。再び渋谷に行くことにする。
一度、行ってみたかった【東京トンテキ】へ。
見よ、このボリューム!はんぱないっす!
せっかく磨いた感性がブッとぶぐらいにジャンキー!
このお店のコピーも、時代に逆らってて最高。
「notダイエット. but疲労回復」
「メタボリックですが. 何か?」
「ダイエットは明日から。」
「後で運動すれば大丈夫でしょ!?」
実は昨日見たアニメ「銀の匙」で、豚丼を食べるシーンがあり、
どうしても豚をガッツきたかったのだ。
食べた後は【おもはらの森】でのんびりと
星野道夫の「旅をする木」を読みふけりました。
言葉と旅と、ときどきアニメ。
実に、僕らしい「ARTRIP」だなぁと思ったり。
予定がなくても、東京でも、ひとりでも。
歩けば歩くほど、観れば観るほど、1日は充実していくのです、きっと。